障害者枠の求人の探し方を徹底解説!障害があっても働ける! | ココピアキャリア

障害者枠の求人の探し方を徹底解説!障害があっても働ける!

自分に障害があると診断されたとき、仕事や生活に不安を感じる人がほとんどでしょう。
特に仕事においては、どのように見つければよいのか困ってしまう場合が多いのではないでしょうか。

仕事を得る方法は、障害を開示せず一般雇用で就職する、障害があることを開示して障害者枠で就職するなど、いくつかあります。
ただし、それぞれメリットやデメリットがあり、自分の症状との兼ね合いもあるので、一概にどちらが良いとは言えません。

障害を開示することは、障害に配慮した職場環境や職務内容を用意してもらいやすいというメリットがあります。一方で、障害者であることを隠して一般就労した場合、いつ障害者であることが発覚するのかと不安になったり、障害に適した配慮が受けられなかったりして、なかなか定着しないという傾向があるようです。

ひと口に障害といっても、精神障害や知的障害、身体障害などさまざまです。障害があっても働いている人は多く、まずは自分の障害の症状をよく把握することが仕事を得ることへの第一歩になるでしょう。

この記事では、障害者雇用の概要や探し方について解説します。


障害者雇用とは何か

企業や自治体などに就職しようとしたとき、障害者は健常者に比べ不利に働いてしまうことが多いです。

障害者雇用とは、障害のある人に「障害者雇用枠」を用いた特別な雇用枠のことです。障害者雇用枠は原則として障害者手帳を持っている人が対象になります。従来では、知的障害と身体障害の方に限定されていましたが、2018年から精神疾患の方も対象となりました。

一般雇用との違い

一般雇用は、企業の雇用条件さえ揃えば誰でも応募できるものですが、障害者雇用は障害者手帳を所持する人向けの雇用です。一定数以上の従業員が居る企業には、定められた割合で障害者雇用をしなければならない「障害者雇用促進法」という法律に則り、障害者の雇用義務が発生します。

この法律から、企業は障害者雇用を前提とした採用を行う必要が生じます。

障害者雇用は一般雇用に比べると、選べる職種が狭かったり採用数が少なかったりという欠点があります。

一方で、一般雇用は誰でも採用試験が受けられますが、障害者を前提とした採用ではないので、障害に対する配慮や理解が得られない場合があります。

統計によると、障害者が一般雇用で就職した場合の離職率は高いようです。

一般雇用か障害者雇用かを選んで応募はできますが、入社後に定着できるかは別問題ということです。障害があっても、健常者と同じ生産性を発揮していきたいという志の高い人もいることでしょう。

しかし、一般雇用で働くにはデメリットが多いことを念頭に置いておく必要があります。

オープンとクローズ

障害者が就職をする際、障害を企業に開示して就職する「オープン就労」と非開示で就職する「クローズ就労」があります。以下では、それぞれのメリットとデメリットを詳しく解説します。

オープン就労のメリット・デメリット

オープンで就労する場合のメリットは、通院や服薬を優先させてもらえる、勤務形態や業務内容を配慮してもらえる、支援機関が自分と企業の間で調整の役割を担ってくれる、疾患や障害について理解を得た上で仕事ができる、などです。

企業側から見れば、障害特性を把握したうえで業務内容などを決定できるという利点があります。

結果として、職場に定着する率が高くなり、障害者であっても戦力として期待することができるでしょう。

デメリットは、障害者求人の数が少ない点です。選択できる範囲が狭いため、希望する職種に就職できない可能性が高まります。


クローズ就労のメリット・デメリット

クローズで就労する場合のメリットは、求人の数が多く業種や業態を選ぶことができる、賃金が障害者雇用の場合より高い、などです。

ただしクローズ就労の場合はデメリットの方が多いです。

例えば、通院や服薬のタイミングを配慮してもらえない、勤務形態や業務内容を配慮してもらえない、障害を隠して入社したことが発覚するかもしれないという不安が残る、などです。
症状に配慮してもらえないため、突発的な体調不良に対応できません。

一般の方と同様な仕事をしても同じ結果を出せない可能性があり、職場への定着率も低いです。

結果として、障害者がクローズ就労しても、戦力として期待できない可能性があります。


障害者雇用の探し方

障害者の方はどのような方法で仕事を探すと良いのでしょうか。ここからは、その探し方を4つご紹介します。

ハローワークの利用

ハローワークは、職業相談や職業の斡旋をしてくれる公共機関です。ハローワークの窓口は、障害者向け、学卒、一般、に分類されています。障害者向け窓口を利用する際には、障害者手帳や医師の診断書を持参しましょう。職業相談や求人への応募に必要な紹介状を発行してくれます。

また、一般雇用の求人も紹介してもらえるので、障害を隠したクローズ就労で就職したい場合にもハローワークを頼ると良いでしょう。

職業相談において準備や応募の仕方のアドバイスも貰うことができるので、障害者雇用で仕事を探す場合にも、ハローワークは強い味方になります。

地域の障害者職業センターの利用

地域の障害者職業センターは、障害者に専門的な職業リハビリテーションを提供しています。
あくまでもリハビリを行う場所であり、就職先の斡旋などを直接的に行う施設ではありません。

障害者職業センターでは障害者職業カウンセラーやジョブコーチ、相談支援専門員などから支援を受けることができます。
また、企業やハローワークと連携しているため、職業リハビリテーションを受けつつ就職先を探すことが可能です。

就労移行支援センターに通う

就労移行支援センターは、障害のある人の地域における就職へ向けた相談と支援を行っています。就労への意向があるものの就職先が見つからない、という悩みを相談することに適した施設です。
障害者の自立や安定した生活を実現するために、さまざまな支援機関と連動して相談に乗ってくれます。

また、障害者の就労場所の確保や定着の支援を行う施設として、就労援助センターなどもあります。ここは、障害者の就職相談・訓練・指導・援助を行っていて、障害者の雇用や定着を図り就職後のサポートも行ってくれます。

就職・転職エージェントの利用

就職・転職エージェントの中でも障害者に特化したエージェントは、障害者の雇用を希望する企業と求職中の障害者をマッチングするサービスを提供しています。
多くの転職エージェントでは登録するとアドバイザーが付き、障害の特性や希望などをカウンセリングで把握し企業とのマッチングをしてくれます。

アドバイザーは提出書類の添削や面接対応を行い、そのほかにも企業との間に立ち調整を行います。障害者と企業、双方の希望条件をアドバイザーが把握したうえでマッチングさせるため、定着率が高い就職ができる特徴があります。


障害者雇用には障害者手帳が必要

障害者が障害者雇用枠で働くには、原則として障害者手帳を保有している必要があります。
以下では、障害者手帳の種類と申請方法をご紹介します。

障害者手帳の種類

障害者手帳は自治体から取得・発行されるものですが、障害によって種類が異なります。精神障害者は「精神障害者保健福祉手帳」、知的障害者は「療育手帳・愛の手帳・愛護手帳」、身体障害者は「身体障害者手帳」です。

精神障害者手帳の対象はうつ病などの気分障害・てんかん・統合失調症・発達障害・アルコール依存症などが含まれ、1級~3級までの等級があります。
長期にわたりこのような精神疾患があり、生活に支障が出ている人が取得できる手帳です。

知的障害者の手帳の名前は地域によって異なり、「療育手帳」「愛の手帳」「愛護手帳」などと名前が付けられ、A~Cまでの等級があります。
おおよそ18歳未満で知的障害が発見され、その後も継続している人が取得できる手帳です。

身体障害者手帳の対象は上下肢機能障害・内部障害・視覚障害・聴覚障害などが含まれ、1級~6級までの等級があります。
例えば、手足・目・耳・心臓・腎臓などの機能に障害がある人が取得できる手帳です。

障害者手帳の申請方法

障害者手帳の申請方法は、どの障害者手帳の申請なのかで少しずつ変わります。

精神障害手帳の申請の際は主治医の診断書が必要です。
加えて、初診日から半年以上経過していないと交付の対象になりません。交付の手続きは、市区町村の障害者福祉担当窓口で行います。手続きに必要なその他の書類は、障害者手帳申請書・証明写真・マイナンバーカード・身分証明書などです。
原則として申請は本人が行いますが、難しい場合には家族・医療機関の職員が代行することもできます。

知的障害者の手帳の申請窓口は、18歳以下は児童相談所で行い、18歳以上は知的障害者更生相談所など地域で変わるので、まずは福祉担当窓口に確認をとると良いでしょう。
手続きに必要な書類は、診断情報提供書・証明写真・印鑑・母子手帳・健康保険証などです。

身体障害者手帳の申請にも、指定医による記入済みの身体障害者診断書や意見書が必要です。
手続きに必要なそのほかの書類には、交付申請書・証明写真・印鑑・マイナンバーカード・身分証明書などがあります。申請窓口は市区町村の障害福祉担当窓口となります。


障害者雇用に向いている仕事

障害者雇用増加の要因には、障害者をサポートする法律が背景としてあります。

例えば、障害者雇用促進法です。この法律は、障害者という理由で低賃金にしたり、雇用面で差別したりすることを禁止するものです。
また、企業が一定の割合で障害者雇用することを義務化しています。

もう一つは障害者差別禁止法です。この法律は、障害者であることを理由に差別することを禁止しています。
また、障害者側からバリア解消の申し出があった場合には、企業は対応に努めることを明記しています。

企業は一定の割合で障害者を雇用しなければならないことはすでに述べましたが、企業側が増加する障害者に任せやすい業務にはいったいどのような仕事があるのでしょうか。

事務職

事務職とは、データ入力や電話・来客対応、ファイリング、書類の作成・処理などの業務全般を担当するポジションです。事務職といってもその内容は多岐にわたり、一般事務・人事事務・営業事務・労務事務・経理事務・法務事務・医療事務などを総称するものです。

事務職は昔から女性に人気のある職種です。

単純作業で楽そうというイメージを持たれる方も居るかもしれませんが、それは必ずしも正しくありません。
事務職の仕事は企業や部署によって変わり、内容もさまざまです。

障害者がこれから事務職へ応募するときには、多種多様な業務が存在することを念頭に置き、実際の仕事内容を見定めてから応募することをおすすめします。
障害があってもこれならできると思える業務を選択できることで、就職後も長く定着することが可能な職種です。

SE

SEとは、システムエンジニアの略称で、顧客からの要望から仕様を決め、設計するまでのシステム開発における上流工程を担当する職種です。
人員や予算、進捗管理などマネジメント業務もその仕事の内です。企業やチームによっては仕事内容が異なる場合もあります。

SEが担う主な業務は「基本・詳細設計」「要求分析・要件定義」「テスト」などです。

SEは特に精神障害者の方におすすめの職種です。
基本的に一人で黙々と作業をする業務になるため、精神障害者が苦手な対人コミュニケーションをそれほど必要としません。

実際に精神障害者がSEやプログラマーとして働くケースは少なくありません。技術さえ身に着けてしまえば、フリーランスや在宅ワークへ移行できることも魅力の一つです。

清掃員

清掃員とは、その名の通り家やオフィス、ホテル、病院、工場などを清掃する仕事です。代表的なものは、清掃業務員・ビル清掃員・特殊清掃員などがあります。

清掃業務員は、「燃えるゴミの日」などにゴミを回収してくれる、自治体に所属する公務員です。家庭や店舗から出るゴミの回収だけでなく、廃棄物処理や動物の死体処理、道路・歩道の清掃・洗浄を行います。

ビル清掃員は、主に室内か室外のクリーニングに分かれ、施設の至る所を清掃します。室内は床やドア、天井、照明、調度品・トイレなどを担当し、室外は窓ガラスや外壁、ビル周辺などを担います。

特殊清掃員はご遺体のあった部屋を清掃する仕事です。害虫駆除や死臭除去、消臭や滅菌などを行います。

どの清掃員も黙々と作業をする点では同様であり、対人コミュニケーションをそれほど必要としません。

また、ビルや公共施設、住宅などの清掃員は募集が非常に多く、障害者でも採用されやすいこともメリットとして挙げられます。


障害者雇用で働きやすい勤務方法

障害者が健常者と同じように働きたいと思っても、実際は難しいことも多いでしょう。
しかし、自分の症状に合う働き方を実践することで、長期就労として定着することも可能です。

障害者の方の生活を安定させるための働き方を以下でご紹介します。

在宅勤務

在宅勤務は、オフィスで仕事をせずに、インターネット環境のある自宅で仕事をすることを指し、テレワークとも称されます。テレとは「離れた所」を意味し、最近では「リモート(遠隔)ワーク」と呼ばれることもあります。

在宅勤務は出社する必要がなく、公共交通機関や自家用車などで通勤することが困難な方や、対人コミュニケーションに不安があるような方に向いている働き方です。
会社の方との交流が薄くなるデメリットはありますが、自分のペースで仕事ができ、煩わしい人間関係が無いことが注目したいポイントです。

他にも、障害者の就業や能力発揮の機会が増えることで、就業機会が無かった人の「働く選択肢」が増えることもメリットの一つです。

企業側にも在宅勤務雇用にメリットがあります。
例えば、オフィス雇用と違い、既存社員への影響や負担を抑えられる、多様な働き方の促進になる、地域を問わない人材の確保ができる、などです。

在宅勤務のような働き方を採用することで、コストや離職率を抑制できるなどの効果があります。

障害者枠採用

障害者枠採用は、上述している障害者雇用枠と同じもので、雇用対象が障害者に限定された採用方法のことです。

障害者ということをオープンにする就労であるため、企業側から理解を得られ、働きやすいよう病気への配慮を受けることができるメリットがあります。
その代わりに、配慮されることで任される仕事が限定的になってしまう制約が生じることもあります。

採用のときには上記のような「合理的配慮」を企業側に求めることができるので、安定して長期間に仕事をすることができるケースが報告されています。

障害者枠採用で採用されるためには、原則として障害者手帳を取得している必要があります。

「ある一定割合以上の人数、障害者を雇用しなければならない」法定雇用率と呼ばれる制度が定められているため、企業側はこれに従わなければなりません。
つまり、事業主は障害者を雇用する義務があります。

一般の就職が難しい障害者でも、配慮があれば働けるという人も少なくありません。

企業が率先して合理的配慮に取り組み、障害者の採用を積極的に行う会社も増加傾向にあります。

就労継続支援

就労継続支援とは、企業などで仕事をすることが困難な場合に、障害に合わせて働く準備をしたり、訓練や仕事をしたりすることができる福祉サービスのことです。

就労継続支援にはA型とB型が存在します。A型は事業所と雇用契約を結び利用するため最低賃金が保証され、原則18歳から65歳未満の人を対象とします。

一方B型は、事業所と契約を結ばないで利用するため出来高に応じて賃金を得るほか、基本的に年齢制限はありません。

就労継続支援A型は、一般企業では働けない障害者でも、一定の支援があれば働けるという人を対象にしたサービスです。
業務内容は事業所によりさまざまですが、例えばパソコンのデータ入力や軽作業、喫茶店での業務などがあります。

就労継続支援B型は、年齢や体調の面で雇用契約を交わして仕事をすることが困難な人を対象とするサービスです。
事業主と雇用契約を交わさないため、成果報酬としての「工賃」が得られます。作業内容は軽作業が多く、自分のペースや体調に合わせて働けるという利点があります。

まとめ

障害者が就労をするとき、一般雇用か障害者雇用枠のどちらかを目指すことになります。

障害をクローズにするのかオープンにするのかは人それぞれの判断で良いでしょう。
しかし、統計では障害者が障害をクローズにして就労した場合には、定着率が低いという結果が表れています。

障害を隠して働くことが悪いことではありません。自分は障害があっても一般の人と同じ生産性で仕事をしたいと考える人もいることでしょう。
とはいえ、障害への合理的配慮がなされない職場では不安も多いかもしれません。

障害をオープンにした場合、就労先が限定されたり賃金が低かったりします。
その代わり、障害への理解を得られ安心感をもって仕事をすることができるようです。

仕事場に在宅を選択したり、就労継続支援サービスを利用したり、多様な働き方ができることも障害者雇用を後押ししています。

障害者だからといって、仕事を得ることを諦める必要はありません。
既に多くの障害者がさまざまな場所で就労し活躍しています。

まず、自分の障害にどのような症状があるのかをよく把握し、それに見合う仕事を探してみましょう。あなたに合った仕事が、必ずあるはずです。